共働きではないご家庭も、3歳からは幼稚園や認定こども園へお子さんを預ける方が大半ですよね。
そこで出てくるのが1号認定と2号認定、どっちが得なの? という疑問です。
1号認定と2号認定、どっちが得なのかは、置かれている状況によって異なります。
2019年10月から「子ども・子育て支援新制度」が開始され、幼稚園や保育所、認定こども園などの施設を利用する3歳から5歳までの子どもたちの利用料が無料になりました。(2023年4月現在)
これに伴い、「施設等利用給付の申請」が必要になりました。
なんだか難しそうだけど、申請しないと子どもを預けられないの?と不安になりますよね。
この記事では、1号認定と2号認定の違い、どっちが得なのかなどについて徹底解説します!
1号認定と2号認定はどっちが得?
次の表は、1号認定と2号認定、3号認定の違いについてまとめたものです。(2023年4月現在)
大きな違いは、保育が必要とされる理由があるかないか、なので、置かれた状況によってどっちが得かは変わります。
1号認定 | 2号認定 | 3号認定 | |
年齢 | 3歳から5歳 | 3歳から5歳 | 0歳から2歳、満3歳 (満3歳になった最初の3月31日まで) |
預かり時間 | 教育標準時間(4時間) | 保育標準時間(最長11時間) または 保育短時間(最長8時間) ※保育の事由・時間による | 保育標準時間(最長11時間) または 保育短時間(最長8時間) ※保育の事由・時間による |
保育の必要性 | なし | あり | あり |
利用できる施設 | 幼稚園 認定こども園 | 保育所 認定こども園 | 保育所 認定こども園 地域型保育 |
大まかに言うと、保護者の方に就労や出産など、保育が必要とされる理由がない場合は1号認定です。
一方、保護者の方に就労や出産といった保育が必要であるとされる理由がある場合は2号認定になります。
また、1号認定と2号認定では夏休みなどの長期休暇中の保育の有無も異なりますので、条件をよく確認して申請する必要があります。
3号認定は年齢が違うので、現時点で1号認定と2号認定で迷っている方は選択肢に入りません。
1号認定が得になる方はどんな方か、2号認定が得になる方はどんな方か、具体的な例を挙げながら見てみましょう。
1号認定が得になる方
施設等利用給付の申請において、1号認定での申請得になる方は次のような方です。
- 現時点ではなるべく家庭で子どもを見るつもりで、共働きを考えていない
- 共働きは考えているが、1日3時間程度に収めたい
- 共働きは考えているが、子どもを入園させてから仕事を探そうと思っている
- どうしても子どもを預けたい指導方針の幼稚園がある
1号認定は、幼稚園か、認定こども園の幼稚園枠になるので、基本的には教育標準時間である4時間の預かり時間で大丈夫な方、ということになります。
子どもを幼稚園に入れたらパートに出ようと思っています。
私の場合、1号認定と2号認定、どっちが得なの?
子どもを幼稚園に入れた後で、仕事を探す場合はひとまず1号認定で申請して、入園させるのがおすすめです。
幼稚園に預け続けるのであれば、仕事が見つかっても、基本的に申請区分を変更する必要はありません。
仕事が決まって、保育所に転園したい場合や認定こども園の保育所枠に移りたい場合は2号認定への変更申請が必要です。
また、お子さんが入園してからどれくらいで園生活に馴染めるかもわかりません。
園に入れてみたら意外に時間の余裕がなくて、働くのはもう少し先にしよう、などと思うかもしれません。
余裕を持って仕事を探すにも、特に条件面での縛りのない1号認定がおすすめです。
後の章で詳しくお伝えしますが、年度途中での区分変更は可能ですので、1号認定で時間の都合がつかなくなったらどうしよう、と心配する必要はありません。
もし、長時間の勤務も視野に入れているのであれば、幼保連携型の認定こども園の幼稚園枠に1号認定で入れるのがおすすめですよ。
幼保連携型の認定こども園は、幼稚園枠の子どもも保育所枠の子どもも一緒に生活するのが特徴です。
将来的に2号認定を申請することになっても、子どもの生活環境が変わらずに済む可能性が高いからです。
また、幼稚園に預けながら、教育標準時間の枠組みの中で働く、ということであれば、2号認定ではなく、新2号認定というものもあります。
新2号認定についても、後程詳しくお伝えしますね。
習い事もさせたいし、1日3時間働ければ十分かと思っています。
1号認定で大丈夫でしょうか。2号認定と併願するべきでしょうか。
1号認定の預かり時間は一般に4時間、10時から14時です。
1日3時間程度の勤務であれば、1号認定で十分対応できることが多いです。
また、1日3時間程度ですと、2号認定を受けるには勤務時間が短いおそれもあります。
もし、夏休み等も普段と同じように働きたい、ということであれば、預かり保育代の補助が出る新2号認定で申請するのも一つの手ですね。
2号認定が得になる方
施設等利用給付の申請において、2号認定での申請が得になる方は、次のような方です。
- 共働きで、夫婦ともに勤務時間が長く4時間程度の預かりでは厳しい
- 夏休みや冬休みといった長期休暇中も同じ環境に預けたい
では、こちらも具体的なお悩みの例を見てみましょう。
今までは同居の祖父母に面倒を見てもらい、パートに出ていました。
社員登用の話があり、引き受けようかと思っているのですが…。
勤務時間が長くなることがすでに決まっているなら、2号認定で申請し、保育所や認定こども園の保育所枠に預けるのがおすすめです。
これらの施設は、学校が夏休みや冬休みでお休みの時期でも保育をしてくれます。
一方の幼稚園は、夏休みや冬休みといった長期休業の間も預かり保育をしてくれる園もありますが、基本的には長期休業の間、登園はありません。
今までは祖父母に面倒を見てもらっていたとのことですので、今後の環境の変化にはどの程度対応してもらえるのか相談してみてはどうでしょうか。
勤務時間が長くなっても面倒を見てもらえるのか、夏休みや冬休みは面倒を見てもらえるのか、そもそも園への送り迎えはお願いできるのか、などをよく話し合ってみてください。
もし、幼稚園への送り迎えや長期休業中もサポートが受けられて、通わせたいと思う幼稚園があるようでしたら、1号認定で認定こども園に預けるのも手です。
幼保連携型の認定こども園でしたら、もし途中で2号認定に変更することになっても、同じ園に在籍し続けられる可能性が高く、子どもの生活への影響が小さくて済みます。
最近は高齢者の、孫預かりによる疲れも問題になっています。
お互いに遠慮せず、公共のサービスをうまく使って、家族にとって無理のない形で仕事と育児の両立ができる施設を選べるといいですね。
新2号認定もあるの!?違いは何?
1号認定と2号認定に加えて、新2号認定という認定枠もあることを、あなたは知っていますか?
新2号認定は、基本的には1号認定と同じ4時間保育ですが、それに加えて預かり保育代の補助が出ます。
この補助は、普段通園している幼稚園や認定こども園だけでなく、ファミリーサポートや認可外の保育施設での利用も認められているのです。
私の友人は、どうしても自分が通っていた幼稚園に通わせたいとのことで、1号認定で幼稚園に入れて、普段は3時間程度の勤務をしています。
たまの残業で勤務時間が長くなってしまう時があるそうで、新2号認定に申請し直して、延長保育代の補助を受けることにしたそうです。
延長保育代全額にはならないそうですが、2号認定に申請し直すと保育所に転園することになってしまいます。
どうしても今の園に通わせたいので、新2号認定ができて本当に助かっている、と話していましたよ。
このように、幼稚園に通わせたいから2号認定までは考えていないけど、夏休みの間だけ保育所の一時保育を利用したい、というあなたにも新2号認定はおすすめの制度です。
最近は、夏休み中でも預かってくれる幼稚園も増えてきましたが、それでも幼稚園の夏休みの間ずっと、というわけにはいきません。
仕事のお休みと、園の完全休園期間がうまく重なればいいですが、そういう場合ばかりではないですよね。
私は娘を保育所に通わせていますが、夏休みや冬休み、春休みといった長期休業期間中の一時保育申込開始日には、幼稚園にお子さんを通わせているパパママがずらりと列を作ります。
長期休業中の常連さんの子もいて、保育所の先生方とも馴染んで楽しく遊んでいましたよ。
新2号認定ができたことによって、よりフレキシブルに働くことができるようになったように思います。
注意したいのは、この補助は、就労に対する支援なので、新2号認定を申請する場合には、勤務証明書が必要となることです。
リフレッシュのためにたまに延長保育を使いたい、夏休み中に映画を見に行くからちょっと子どもを預かっていて欲しい、などという場合は補助の対象外です。気をつけて申請してくださいね。
1号認定と2号認定の併願はできる?
結論から述べますと、1号認定と2号認定を併願しての申請はできます。
1号認定と2号認定を併願で申請する場合、2号認定が希望だけど難しいなら1号認定で、という方が多いのではないでしょうか。
2号認定で申請して、通らなくて、また1号認定で申請し直すとなると、手間も時間もかかりますよね。
また、4月入園だと、1号認定となる幼稚園の方が、2号認定となる保育所よりも申し込みのタイミングが早い自治体がほとんどです。
1号認定と2号認定を併願で同一の認定こども園に申請し、2号認定が通れば2号認定の保育所枠でこども園に入園、2号認定が通らなければ1号認定の幼稚園枠でこども園に入園できます。
どうしてもこのこども園に!という場合に併願なさるケースが多いです。
また、こども園Aの2号認定が第一希望だけどダメならこども園Bの1号認定で、といったパターン、保育所Aが第一希望だけどダメなら幼稚園Bに、というケースもあります。
どこまでが併願可能なのかも、手続きの仕方も自治体によって変わりますので、必ず役所や利用したい施設で確認してくださいね。
今は2号認定が取れる方でも、リモートワークだったり、第三者の協力を得られたりで、1号認定を検討なさる方も増えています。
私の娘は保育所に通っていますが、年少に上がるタイミングで幼稚園に転園したお友達がいましたよ。
1号認定と2号認定を変更はできる?
年度途中での1号認定から2号認定への変更、2号認定から1号認定への変更は、どちらも必要な書類を提出することでできます。
認定こども園に通っている場合は、原則同じ園の幼稚園枠から保育園枠、保育園枠から幼稚園枠に移行することができます。
同じ園に在籍し続けられるというのは嬉しい制度ですよね。
一方、幼稚園や保育所に通っている場合は、転園することになるかと思います。
1号認定、2号認定の区分を変更した場合に、受け入れ体制がどのようになっているかは、役所の窓口で相談できますので、相談してみてくださいね。
役所はお堅いイメージがありますが、聞けば親切丁寧に教えてもらえると思います。
私も、娘の保育所入所の時には大変お世話になりました。
1号認定と2号認定のどっちが得かで幼稚園を選ぶ?
1号認定と2号認定の違いはわかったけど、結局どっちが得なの?子どもを通わせる施設、それぞれ何が違うの?1号認定なら幼稚園が得、2号認定なら保育所が得ということ?とお考えのあなた!
幼稚園、保育所、幼保連携型の認定こども園の3施設の違いを一覧にまとめました。(2023年4月現在)
幼稚園と保育所の違いは昔と比べると、だんだん小さくなってきていて、どっちが得かも、幼稚園か保育所か認定こども園か、という枠組みだけでは判断しづらくなってきています。
幼稚園 | 保育所 | 幼保連携型の認定こども園 | |
管轄 | 文部科学省 | 厚生労働省 | 子ども家庭庁 |
施設の目的 | 小学校以降の教育の基礎をつくるための幼児期の教育施設 | 就労などのため家庭で保育のできない保護者に代わって保育する福祉施設 | 幼稚園と保育所の機能や特長をあわせ持ち、地域の子育て支援も行う施設 |
利用時間 | 昼過ぎごろまでの教育時間が基本。 園によっては午後や土曜日、夏休みなどの長期休業中の預かり保育などを実施するところも。 | 朝から夕方までの保育のほか、園により早朝・夕方の延長保育を実施。 | 昼過ぎごろまでの教育時間に加え、保育を必要とする子どもに対しては夕方まで保育を実施。 さらに必要な場合は延長保育も実施するところも。 |
利用できる保護者 | 制限なし | 保育が必要と判断された子どもの保護者 | 制限なし |
備考 | 土曜日に行事があると、月曜日が代休になる園もある | ○3から5歳の子どもは、認定が1号であるか2号であるかにかかわりなく教育や保育を一緒に受ける。そのため認定区分が変わっても、通いなれた園を継続して利用できる。 ○子育て支援の場が用意されていて、園に通っていない子どもの家庭でも子育て相談や親子の交流の場などに参加できる。 |
保育所でもひらがなの練習をするなど、お勉強系の園もありますし、幼稚園でも、あえて字などの勉強はしない園もあります。
幼稚園でも、夏休み中お盆休みも関係なく毎日預かってくれるという園もあるそうです。
幼稚園で働く友人曰く、長期休業中の預かりがあるかないかで入園希望者の数が大きく違うみたいですよ。
比較的新しくできた施設で、幼稚園と保育所のいいとこどり、と言われているのが認定こども園ですよね。
認定こども園は、いろんな環境のおうちの子がいるということを早くから知れることもメリットです。
できた当初はあまり馴染みのなかった認定こども園ですが、施設の数はどんどん増えています。
内閣府子ども・子育て本部が2022年7月に出した『みんなが、子育てしやすい国へ。すくすくジャパン! 子ども・子育て新制度について』という資料があります。
これによると2021年には8,585施設にまで増えており、そのうち約7割に当たる6,093施設が幼保連携型です。
少子化の時代にこれだけ増えていることからも、幼保連携型の認定こども園に対する注目の高さ、期待の高さがうかがえますよね。
私は父が転勤族だったので、転園や転校を経験しています。嫌な思い出があるわけではないですが、させなくて済むなら自分の子どもに転校や転園はさせたくないな、と考えています。
転園転校経験者の立場から見ると、1号認定と2号認定、どっちが得な状況になっても変わらず在籍していられるというのは、幼保連携型の認定こども園の大きなメリットのひとつだと感じます。
我が子が1号認定なのか2号認定なのか、新2号認定を狙うのかによって、利用できる施設、おすすめの施設が変わってくるでしょう。
選択肢にある園を見学にいったり、パンフレットをもらったりして、園の指導方針や雰囲気をよく確認してください。
大事なのは、そこが幼稚園なのか、保育所なのか、認定こども園なのか、ではなく、はたまたどっちが得か、でもなく、お子さんが楽しく暮らせそうかどうか、ですよ。
まとめ
- 1号認定と2号認定では預けられる施設が違う
- 1号認定は特に条件はなく、幼稚園か認定こども園の幼稚園枠が利用できる
- 2号認定は保育が必要な事由(就労など)が必要で、保育所か認定こども園の保育所枠が利用できる
- 新2号認定は1号認定の預かり時間で延長保育料の補助が出る、ただし就労証明書が必要
- 1号認定と2号認定の併願申請もは可能
- 1号認定から2号認定、2号認定から1号認定の年度途中での変更申請はどちらも可能
- どっちが得かは親子の置かれた環境で異なり、どっちが得かよりもどっちが合っているかで考える方がおすすめ
- 行政区分による施設の違いは小さくなってきているので、まずは施設の見学を
- わからないことは役所や施設に直接確認するのがよい
以上、3歳からの預け先、1号認定と2号認定どっちが得なの?というテーマで考察してきました。
どのような現状なのか、これからどうしていきたいのか、よく家族で話し合ってください。
そして、とにもかくにも、施設を見学することです。
比較することで見えてくるものがあるので、素敵な園が見つかったと思っても、いくつか見学してみましょう。
親子にあった施設が一番お得な選択肢です。親子ともに楽しい3年間が送れるよう、応援しています!
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