あなたは朝はパン派ですか?それともごはん派ですか?
私はパン派で、焼きたての食パンに季節のフルーツのジャムを塗って食べるのが大好きです。
最近、ジャム売り場に行くとコンポートも並んでいることが増えました。
同じ売り場に並んでいることが多いコンポートとジャムですが、実は糖度や形状に大きな違いがあります。
この記事では、コンポート、ジャム、プレザーブ、コンフィチュールの違いについてまとめました。
コンポートやジャムの簡単な作り方、おすすめの食べ方についても紹介しています。
最後まで読んで、違いを知り、これからの食生活に役立ててくださいね。
コンポートとジャムの違いは何?
コンポートとジャム、どちらもフルーツの瓶詰めかな?と思いますが、違いは何なのでしょうか。
実はコンポートとジャム、プレザーブ、コンフィチュールには、表のような違いがありました!
コンポート | ジャム | プレザーブ | コンフィチュール | |
糖度 | 規定なし | 40%以上 | 40%以上 | 規定なし |
果実の形 | 残っている | ほぼ残っていない | やや残っている | やや残っている |
保存性 | 適さない | 適している | 適している | やや適している |
コンポート、ジャム、プレザーブ、コンフィチュールについて、それぞれ詳しくご説明しますね。
違いを理解して、時と場合に応じて使い分けられるようになったら、素敵です !
コンポート
コンポートは、フルーツを、元の形をなるべく崩さずに水、白ワイン、シロップなどで煮たものを指します。
「コンポート」はフランス語で「煮る」という意味があります。
フランス料理では、お肉をワインで煮込んだものをコンポートといいます。
野菜を煮たものをコンポートと言うこともあります。
しかし、日本で一般に「コンポート」といった時には、フルーツのコンポートを指すことが多いです。
具体的な糖度に決まりはありませんが、フルーツの形や食感を残すことが重視されるので、あまり甘さを加えません。
また、食感を残すために、長い時間煮込むこともありませんし、フルーツを小さく切るということもあまりありません。
市販されているコンポートも、りんごや桃といったフルーツの芯をくり抜いたものや、半割になったものが大半です。
レシピサイトなどを覗いても、どんなに小さくてもくし切りくらいです。
これも、一般の家庭でフルーツを大きい形のままきれいに切るのは難しいからでしょうね。
コンポートは、ヨーグルトや、アイスクリームに添えてもおいしいよね!
見た目も華やかなコンポートは、贈り物としても人気がありますよ。
ジャム
ジャムは、日本農林規格で次のように定められています。
a) 果実等(3.1)を砂糖類,糖アルコール又は蜂蜜とともにゼリー化するようになるまで加熱したもの。
日本農林規格
なお、ここで言う「ゼリー化」とは、粘度を増して状態が変化することを指し、いわゆる食べ物の「ゼリーになること」ではありません。
コンポートが形を残すのに対して、ジャムは「ゼリー化する」という点がポイントですね。
また「ジャム」は糖度40%以上のものとされています。
- 糖度65%以上のものが高糖度
- 糖度55%以上65%未満のものが中糖度
- 糖度40%以上55%未満のものが低糖度
糖度40%に満たないものは「果実加工品」として、ジャムとは区別されています。スプレッドと呼ばれることも多いです。
低糖度のジャムが人気を集めているのに伴い、それよりも更に糖度の低い果実加工品も人気が高まっているようです。
ジャムは、元々は「詰め込む」「押し込む」という意味の英語です。
砂糖の中でぎゅうぎゅうに詰め込まれた果実がイメージできますね。
英和辞典を引くと、食べ物のジャムの意味も出てきますが、面白いことに「アメリカではjellyとも」と書かれています。
やはり、ジャムはゼリー化されているところがポイントなのですね。
コンポートと違って、ゼリー化するまで煮込むため、ジャムの果実はほとんどその姿を残しません。
また、作る過程で砂糖が水分を抱き込むため、腐敗しづらく、保存食にもなります。
ジャムは最古の保存食とも言われているんだって!知らなかったな!
プレザーブ
ジャムの横にプレザーブスタイル、と書かれたものを見たことはありますか?
プレザーブは、先ほど述べたジャムのうち、果実の形が残されたものです。
いちごを除くベリー類は全形、いちごは全形か2つ割り、ベリー類以外の果実等は5mm以上の厚さの果肉等の片、というように、日本農林規格で細かく規定されています。
プレザーブスタイルのいちごジャムを食パンに塗ると、いちごがゴロッとしていてよりおいしそうに見えますよね。
私も、私の家族もゴロッとした見た目が好きで、家でいちごジャムを作るときはいつもプレザーブスタイルです!
コンフィチュール
コンフィチュールは、プレザーブとコンポートの中間のようなものです。
コンフィチュールはフランス語で、コンフィットという「砂糖、酢、油などに漬ける」という意味のことばが語源になっています。
コンフィチュールはプレザーブよりも果実の形が残っていることが多く、コンポートより果実の形が崩れている感じです。
そして、糖度もジャムやプレザーブよりは低く、コンポートよりは高いイメージです。
「漬けた」という、元々の語の意味からもわかる通り、保存食として扱われることが多いです。
ここまでコンポート、ジャム、プレザーブ、コンフィチュールの違いについて見てきました。
次の章では、コンポートとジャムの作り方をご紹介しますよ!
りんごのコンポートとジャムを作ってみよう!
違いはわかったけど、いいものを買おうとするとなかなかのお値段なのがコンポートとジャム。
でも、作るのは拍子抜けするほど簡単で、おいしくできます。
この章ではりんごを例に、コンポートとジャムの作り方をご紹介します。
他のフルーツでも基本的な作り方は同じですので、買ったけど味がイマイチだった、たくさん買いすぎてしまった、などという時には、参考にしてくださいね。
りんごのコンポートの作り方
材料
りんご…1個
砂糖…50g(好みで増減させる)
レモン汁…小さじ2
1、りんごを8つのくし切りにし、皮を剥きます。この時、皮を剥かないとピンクに色づき、華やかな色合いになりますが、皮の食感が残ります。
りんごをくし切りにせず、芯抜き器で芯だけ取る方法もあります。
その場合は加熱時間がかかるのと、水(分量外)の必要量が増えるので、いくつか一度にまとめて作るとよいでしょう。
2、鍋にりんごと、砂糖、レモン汁をいれ、水(分量外)をひたひたになるまで入れます。
3、弱火で20分程度煮て、りんごが半透明になってきたら火を止めます。
コンポートの調理はたったの3工程、火にかけて見守るのみ、簡単ですよね!?
すぐに食べない分は煮汁ごとタッパーに入れて冷蔵庫で保管し、1週間以内には食べ切るようにしましょう。
りんごのジャムの作り方
材料
りんご…2個
砂糖…180g(りんごの30%重量目安)
レモン汁…大さじ2
今回は材料がりんごなのでなくても大丈夫ですが、ペクチン量が少ないフルーツの場合にはペクチンを入れることでとろみがつきやすくなります。
ジャムのとろみがつく要因はペクチン、糖、酸なので、糖分を極端に少なくしたり、レモン汁を入れなかったりすると失敗しやすくなります。
とろみがつかなかった場合はフルーツソースとして使えばOK!
1、りんごは皮を剥いて芯をとり、いちょう切りにして塩水(分量外、3%前後の濃度)にさらします。
2、鍋に水切りをしたりんご、砂糖、レモン汁をいれ、中火にかけ沸騰させます。
3、煮汁から出たアクを取り、火を弱火にして、30分程度煮ます。
こちらもりんごを切って火にかけて見守るのみ、簡単です!
長期保存する場合は、必ず使用する瓶を煮沸消毒し、きちんと水気を拭いてから詰めた上で、脱気処理しましょう。
ここでは、スクリュー式のフタの瓶の煮沸と脱気の方法をご紹介します。
煮沸消毒と脱気処理の仕方
1、鍋の底面にふきんを敷き、煮沸消毒したい瓶をいれ、かぶるくらいに水を入れます。この時、瓶のフタは入れません。
2、水の状態から中火にかけ、しっかり沸騰させます。
3、沸騰したら火を弱め、5分から10分程度煮ます。瓶を鍋から出す1分前くらいにフタを入れ、フタも煮沸消毒します。
4、鍋から瓶とフタを引き上げ、水気が残らないようにしっかり拭きます。とても熱いので気をつけましょう。
5、瓶とジャムが熱いうちに、ジャムを瓶の90%容量を目安に詰めます。
6、力一杯の一歩手前くらいまで(フタはしっかりしまっているが、完全ではない状態)フタをしめ、1分程度置きます。
7、少しずつフタを緩め、温まった空気を逃します。
隙間ができた瞬間に、熱せられて膨張した中の空気が外に逃げようとするので、逃げた瞬間にまたフタをしめます。
8、常温に温度が下がるまで放置します。フタの真ん中が凹んでいれば、脱気成功です。
煮沸も脱気も、高温のものを扱う作業ですので、グローブをするなど、やけどをしないよう気をつけてくださいね。
そのほか、シーラーを使って真空保存する方法もありますよ!
コンポートやジャムの食べ方おすすめ3選
ここでは、前の章で作ってみたりんごのコンポートやジャムについて、それぞれのおすすめの食べ方を3つずつご紹介していきます。
もちろんりんごに限らず、他のフルーツでも応用が効きますので、試してくださいね。
りんごのコンポートおすすめの食べ方3選
りんごのコンポートでおすすめの食べ方を3選ご紹介します!!
初めにご紹介するのは、ヨーグルトに添える食べ方です。
バリエーションとしてはバニラアイスに添える、フローズンヨーグルトに添える、もあります。
乳製品とりんごのコンポートの組み合わせは、間違いない!
次にご紹介するのは、りんごのコンポートケーキです。
DELISH KITCHENさんや、楽天レシピさん、クラシルさんなどにレシピが紹介されていますので、参考にしてみてください。
私の家では、りんごが安い時にたくさん買って、ジャムにしたり、コンポートにしたりするのですが、コンポートは早めに消費しなくてはいけないので、よくケーキを作ります。
生地も、スポンジケーキとは異なり、ざっくり混ぜればきちんと焼けるので、簡単ですよ。
「コンポートには飽きた」と言っていた子どもたちも食べてくれるので、助かっています。
アップルパイを作るときに、りんごの甘煮の代わりにコンポートを使います。
甘さ控えめな仕上がりで、大人も美味しく食べられます。
逆に甘さが足りなければ、隣にバニラアイスを添えてもおいしいですよ。
材料が市販のパイシートとりんごのコンポートなので用意するのは簡単なのですが、パイシートを適当なところまで解凍して伸ばす作業が少しだけ面倒かもしれません。
でも、出来上がったものは、見た目も味も申し分なしですよ。
時間に余裕があれば、さつまいもペーストをりんごのコンポートの下に敷いたり、レーズンの甘煮をりんごのコンポートと一緒に入れたりしてもおいしいです!
りんごのジャムおすすめの食べ方3選
りんごのジャムでおすすめの食べ方を3選ご紹介します!!
りんごジャムを大さじ1杯程度入れたコップに、レモン汁を小さじ2杯程度入れてよく混ぜます。
そこへ無糖の炭酸水を200ml程度注ぎ、マドラーでよく混ぜます。
これだけでりんご味の炭酸水の出来上がりです。レモン汁は、手に入らなければ省略しても構いません。
暑い季節には炭酸水がおいしいですよね。自宅で作れば、甘さも好みに合わせて調節できて、おすすめですよ。
クッキー生地を作り、成型の時に、真ん中を少しくぼませて、そこにりんごジャムを乗せます。
あとは通常のクッキーと同じように焼くだけ!クッキーのサクサク感とりんごジャムの甘酸っぱさに、手が止まりません!
カレーを作る時に、隠し味としてりんごジャムを入れると味がまろやかになります。辛いのが苦手な方や、お子さんがいるご家庭におすすめです。
りんごジャムの使い方は、レシピ通りに作ったカレーに、最後にりんごジャムを入れて一煮立ちさせるだけです。簡単ですよね。
また、生姜焼きのタレを作る時に、砂糖やみりんの代わりにりんごジャムを入れるのもおすすめです。
りんごジャムで味に深みが出て、より美味しくなります。
今回ご紹介した以外にも、レシピサイト等で検索すると意外な食べ方が出てきて面白いので、試してくださいね。
まとめ
- コンポートはフルーツの形を残したままシロップやワインで煮たもので、糖度が低いことが多い
- ジャムは、フルーツを砂糖などで煮て、ゼリー化したものをいい、糖度は40%以上である
- ジャムは長期保存に向いている
- プレザーブはジャムのうち、フルーツの形が残っているものを指す
- コンフィチュールはプレザーブとコンポートの中間のようなフルーツの形の残り方、糖度である
- りんごのコンポートもジャムも、作るのが意外と簡単であり、自宅で作れば糖度が調整できる利点がある
- 自宅で作ったジャムを長期保存したい場合には、しっかり煮沸された保存瓶を使い、脱気処理を忘れずにする
- りんごのコンポートのおすすめの食べ方には、「ヨーグルトやアイスに添える」「ケーキにする」「アップルパイにする」などがある
- りんごのジャムのおすすめの食べ方には、「りんごソーダにする」「りんごジャムクッキーにする」「カレーや生姜焼きの隠し味に使う」がある
ここまで、コンポートとジャムの違い、りんごのコンポートやジャムの作り方、おすすめのおいしい食べ方について見てきました。
違いを知ったことで、用途に合った商品を選ぶこともできるのではないでしょうか。
また、りんごは旬になると、かなり安く買うことができ、栄養も豊富で積極的に取り入れたい食材です。
しかし、当たりのものもハズレのものも見た目に違いはなく、わからないもの。
もし、失敗したな…という時には、是非コンポートやジャムにして、おいしくいただいてくださいね。
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